最新の労働問題         

大阪労働局、「偽装請負」で初の事業停止命令 2006年10月4日

 実態は労働者派遣なのに派遣元が業務管理の責任を負わず請負業務を装う「偽装請負」を繰り返していたとして、大阪労働局は3日、業務請負大手「クリスタル」グループの中核会社「コラボレート」(大阪市)に対し、労働者派遣法に基づき事業停止命令を出した。偽装請負を理由にした事業停止命令は全国初。

 同局によると、コラボ社は今年8月までの数年間、姫路営業所(兵庫県姫路市)で同県加古川市のメーカーから製造業務を請け負い自社の労働者を工場に派遣した。しかし、コラボ社が作業の指揮や労務管理などの責任を負わず、正式の派遣契約を結ばないままメーカー側に丸投げしていた。

 労働者派遣法は請負会社が人材だけを派遣し、派遣先に労務管理を委ねることを禁じている。コラボ社はこれに違反したうえ、今年5月、労働局に事実と異なる業務内容を記載した報告書を提出。その後の行政指導にも従わず、偽装請負を繰り返したことから、同局は初の事業停止処分に踏み切った。
                                                               (日本済新聞)

”弊事務所のコメント”

 このような「偽装請負」は、時々問題になっていますが、
労働者派遣法では、派遣労働者に対して雇用義務があるのは派遣元事業主です。
派遣元事業主は、雇用契約上、労使間に関して労働基準法の適用を受ける為、労働保険・社会保険等に関しても責任があります。
この事例では、請負業務を装う「偽装請負」とすることにより労働基準法の適用(労使関係)を免れ、労働保険・社会保険の負担も免れようとする不法行為です。

 労働局または労働基準監督署が是正勧告・行政指導等を行う事はよくあるのですが、
普通はそれで改善されます。
このような悪質なケースは非常に珍しく、業務停止処分に踏み切ったというのも納得できるのではないでしょうか。
                                                       



マクドナルド裁判

 マグドナルドの高野廣志店長は、2005年12月22日に東京地方裁判所に残業代未払いの請求を求める訴訟をおこしました。

 この裁判は、「店長は労働基準法第41条2項の管理監督者にあたり、残業代を払わなくてもよい」として会社が残業代を払っていないのに対して、マクドナルドの店長は労働基準法第41条2項の管理監督者に「あたらない」として残業代の支払いを求める争いです。


弊事務所のコメント

この種類の労使紛争は今後増えると考えられます。
管理監督者に関する裁判例を見ると、心理のポイントは、
●店長に、管理職手当て又は役職手当等の特別手当が支給されているのか?
●店長に、出退勤についての規制があるのか無いのか?
●部下に対する労務管理上の決定権等について一定の裁量権を有しているか?


≪参考≫
ビックカメラ、不払い残業代など30億円を支払う
 
大手家電量販店「ビックカメラ」(東京都豊島区)は16日、従業員らに対し、不払いになっていた残業代など
約30億円を支払ったことを明らかにした。

 同社を巡っては、フロア主任ら110人分約1億2700万円の残業代が支払われなかったとして、東京労働局が先月、同社と幹部7人を労働基準法違反(割増賃金不払いなど)容疑で書類送検した。
 今回の支払いで、刑事告発などは取り下げられた。
(読売新聞) - 3月17日



住金女性差別訴訟 4月26日

 女性であることを理由に昇給や昇進で差別を受けたとして、住友金属工業(大阪市)の元社員と社員計4人が、同社に慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟の控訴審は25日、同社側が総額7600万円の和解金を支払うことなどで、大阪高裁(井垣敏生裁判長)で和解が成立した。

 昨年3月の1審・大阪地裁判決は男女差別を認め、総額6300万円の賠償を命じた。

 和解金がこれを上回り、会社が将来にわたって女性の処遇に配慮することを約束した文言が和解条項に
盛り込まれたことから原告側は「勝訴的解決」と評価している。

 原告は、元社員の北川清子さん(66)と、社員の井上千香子さん(56)、笠岡由美子さん(51)、
黒瀬香さん(49)。いずれも高校卒業後、同社に入社した。

 1審判決は、同社が学歴や職種で5段階の査定区分を設定した未公表の人事制度を設け、高卒女性事務職を最低ランクに位置づけていたと認定。「性別のみで差別的取り扱いをした」と述べ、1人当たり1885万〜1137万円の賠償を命じ、同社が控訴した。

 井垣裁判長は和解勧告で現在の雇用状況について、「実際には賃金、処遇などで男女間の格差が適正に
是正されたとは言い難い」との認識を示した。

 住友金属工業は「差別は一切ないが、訴訟を長期化させることなく解決を図ることが望ましいと判断した」
とのコメントを出した。                                   (読売新聞)  参照

弊事務所のコメント

未公表の人事制度にはかなり問題があるのでは!
当然社員が納得する人事制度でなければならない。これが企業の発展の根幹と言えるのでは!
また、昇給・昇進に関する規程は法律に遵守したものでなければならない。
退職してからの労使紛争が多発。会社側は、かなり注意が必要である。



退職後過労自殺も労災 不認定取り消し国敗訴 「業務で発病、治らず」

共同通信によると、過重な労働でうつ状態となり、兵庫県加古川市の無認可保育所を退職後に自殺した保育士岡村牧子さん=当時( 21 )=の父昭さん( 70 )が死亡を労災と認めなかった国の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は4日、請求を認め、処分を取り消した。

難波孝一裁判長は「業務によって発病し、うつ状態が治らずに自殺したと認められる。自殺の原因が業務ではないとした労働基準監督署の処分は違法」と判断した。

退職後の過労自殺で労災が認められたケースについて、厚生労働省労働基準局補償課は「把握している限りない」と話している。

判決によると、牧子さんは 1992 年9月に保母(現在は保育士)の資格を取得。翌 93 年1月から無認可保育所に勤務し、月曜から土曜まで 12 時間勤務が続いた。

3月末には、同僚の保育士6人全員が退職し、4月から責任者として新人5人を指導することになった。3月 31 日に病院で適応障害と診断され、入院のため退職。翌日退院したが、うつ状態が続き、4月 29 日に自宅で自殺した。

昭さんは同 12 月、加古川労働基準監督署に労災申請したが、同労基署は「退職、退院で障害は治っていた」として認めなかった。労働保険審査会への再審査請求も昨年3月に棄却され、同6月に提訴した。

昭さん夫妻は保育所の経営会社に損害賠償請求訴訟も起こし、 98 年8月の大阪高裁判決は業務と自殺との因果関係を認め、経営会社に約 570 万円の支払いを命令。 2000 年に最高裁で確定している。

9 月 4 日

 


「偽装請負」訴え契約解除、元派遣社員がタイガー魔法瓶提訴

 タイガー魔法瓶(大阪府門真市)で5年以上派遣社員として働いていた女性(30)が、派遣期間の制限を免れるための「偽装請負」を労働局に訴えた直後に不当に契約を打ち切られたとして、正社員としての地位確認や慰謝料300万円などを求める訴訟を26日、大阪地裁に起こした。

 訴状などによると、女性は2001年9月以降、タイガー魔法瓶で研究開発の補助業務に従事。形式的には人材派遣会社との業務請負契約だったが、実際にはタイガー社社員の指示を受け、出張などを命じられることもあった。

 女性は昨年11月、大阪労働局に対し、「偽装請負」にあたり、同社は直接雇用をする義務があるとして訴えた。同労働局が是正するようタイガー社を指導したところ、1週間後に契約を解除され、社内への立ち入りも拒否されるなどした。 日経新聞2007年2月26日


 




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